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稲垣 照美*; 石井 敏満; 岡本 芳三*
非破壊検査, 48(10), p.673 - 681, 1999/00
提案する赤外線三色分光放射温度計測法は、検出波長域の異なる3台の赤外線サーモグラフィ装置、あるいは3種類の赤外線フィルタを内蔵した装置を利用し、計測対象物の温度を計測する手法である。なお、計測に利用した赤外線サーモグラフィ装置は、2-13mの検出波長帯域を有している。本研究では、測定対象物表面の放射率をパラメータとした数値シミュレーションや一連の検証実験を実施した。その結果、赤外線三色分光法放射温度計測法が対象物表面の放射率や反射率、及び周囲環境条件を特定することなく5K程度の誤差で、対象物表面の真の温度を測定できることがわかった。また、この計測法は、放射率を特定しにくい対象物の二次元定量温度計測、及び原子力施設などの人が近寄り難い領域にある機器構造物の非破壊診断に有効となり得る可能性がある。